Masaさん
本格的に夏が来て車の中が暑くなってますね。
快適に配達したい反面、エアコンで燃費が悪くなるのは考えものなんですが、
なにかいい方法はないですか?

Mihoさん
夏場の車内の温度調整と燃費の問題は切っても切り離せない問題ですね。
ガソリンもどんどん高くなっているので、燃費も気になるところです。
そんな人には扇風機の設置がおすすめです。
扇風機の活用法・上手なカーエアコンの使い方も一緒に解説していきますね。

空調マネージメントは軽貨物に限定せず乗用車でも使えるテクニックです。

まずは、扇風機の取り付けから

一口に、扇風機といってもさまざまな種類があります。

取り付け方法による違い

・クリップで挟むタイプ
・吸盤で取り付けるタイプ
・ヘッドレストに固定するタイプ
・棒に巻きつけるタイプ
・ドリンクホルダーに置くタイプ

電源による違い

・シガーソケットや直結などで、12Vをそのまま使うタイプ
・USBに変換して5Vで動かすタイプ

モーターの違い

ACモーター・DCモーター

その他

風量の調節機能・風向の調節機能

こんな感じに分類されます。

正直な話をすると、重視すべきは取り付け方法と風向きの調節機能だけです。
電源は12Vをそのまま使うものだと配線の加工(延長)が簡単というメリットはあります。
モーターの違いははっきりいってどうでもいいです。(静音を謳っている製品があるが、結局はほとんどの車両でロードノイズの方がうるさい)

取り付け方法の自由度で風向きの自由度が決まります。風向きの自由度があると車内の空気をうまく循環・コントロールさせることができるので、空調マネージメントする上で非常に有利になります(燃費に直結します)

選択した扇風機はこちら

だいぶネタバレ感のある画像ですが、ヘッドレストに取り付けするタイプの扇風機を購入しました。(クリップもついているがそれは使わない)設置場所は、助手席側のアシストグリップとトレードインしています。(アシストグリップは保安基準外装置なので、無くても車検に影響はありません)

積み込み(作業中)の妨げにならなく、運転中の視界の妨げにならない場所で空調マネージメントしやすい(手で届く範囲なので風向きも容易に変えられる)です。クリップや吸盤などと違って脱落の心配もほとんどありません

取り付けはこんな感じ

本来、ヘッドレストのポールにひっかけるフックがついているのですが、それを取り外して代わりにボルトを通し、アシストグリップを取っ払って、取っ払ったボルトの穴を扇風機の固定に使用しています。高ナットで内張りとの干渉を防ぎ、配線はドアモールを剥いで隠しました。Aピラーの中を通してシガーソケットまで配線を通してまとめています。(途中配線の長さが足りなかったので延長しました)風量調節のつまみの文字が反対向いていますが、目で見て調節するものでもないので、無視しました。

ちなみに、このつまみ、通電している時は青く光るので、運転中視界に入らない場所で接続するといいです。視界に入ると暗くなってからの運転中に光が視界に入って事故を誘発させる可能性があります。
ハイゼットカーゴ系はシガーソケットがコンソールの低い位置にあるので、そのまま取り付けてもいいと思いますが、エブリィで、シガーソケットに接続したい(エブリイのシガーソケットは比較的高い位置にある)場合はLEDを潰してしまうのも一つの方法です。(あるいは光らないものを選ぶ)

ここからは、空調マネージメントについて

まずは、カーエアコンの温度調整の仕組みについて

根本的な仕組みは家庭用エアコンと変わりません

コンプレッサーで冷媒を圧縮・(この段階では冷媒は高温になる)
コンデンサーで高温の冷媒を冷却
エクスパンションバルブで減圧(気化熱で冷媒の温度はさらに下がる)
エバポレーターで冷えた冷媒を拡散させる

マックの時にCCEEで覚えさせられた🤣

(余談だけど、冷蔵庫なども基本は同じサイクル)

しかし車載用エアコンは温度調節が苦手です。
家庭用エアコンでは、コンプレッサーで冷媒の圧縮する強度を変えたり、エクスパンションバルブで、冷媒を膨張させる強度を変えることができるのですが、カーエアコンはそれができないのです。
では、どうやって温度調整しているかと言うとエアコンの冷媒回路では一旦目一杯空気を冷やして、エンジンや外気の熱を混ぜ合わせて温度調節しています。
(だから、デュアルエアコンという荒技も簡単にやることができる)

カンの良い方はここで理解できる人もいると思います。

「実はカーエアコンでの冷房における温度調節は燃費にほとんど直接影響しない」ということです。(ゼロではないですよ)
では、何が燃費に影響するのか?それは、「エバポレーターからいかに熱(冷)を放出させるか」ということになります。これは、風量が大きく影響します。風量が多いとエバポレーターから奪われる熱(冷)が比例して多くなります。(風量が上がるとブロアの消費電力も大きくなるので、比例して燃費も悪くなります。)
ついで、車内の温度が重要になります。(温度調節で設定温度を高くすると車外やエンジンから熱を取り入れるので、車内の温度は高くなります)車内の温度が高いとエバポレーターで奪う熱量が多くなるので燃費は悪くなります。

上記を踏まえると「設定温度はLO(18℃)風量は適宜変更」これが、夏のカーエアコンでの空調マネージメントになります。
ただ、これだけだと、風量が少なく、空気の循環も悪くなるので体感温度が上がることになります。
それを補うのが扇風機の役割となります。

僕は2つあるファンの
片方をサーキュレーター的な位置付けで空気の循環がうまく流れるように方向を調整しています。
もう一つは体感温度を下げるために自分の方向に向けています。
それで寒いと感じる場合には、風量を下げたり方向を変えるなどして調整しています。

この空調マネージメントは貨物車に限った話ではなく、乗用車でも同じ原理なので、扇風機をつけることに抵抗がない方はぜひ試して欲しいとおもいます。
おそらくですが、扇風機程度の金額であればでガソリン代は割と簡単に回収できると思います。