Masaさん
配達の仕事を始めるときに、車両を用意すると思うんですが、
あれってやっぱり買った方がいいんですか？それともリースがいいんですか？

Mihoさん
配達を始めるとなると車両が必要になりますが、購入かリースかは一長一短です。
今回は、そのあたりについて話していきますね。
話の内容が軽貨物に寄っていますが、話の大筋としては原付やバイク・自転車でも同じです。

基本原則は購入をお勧めします。

先に結論を言ってしまうと、購入を強く推奨します。
リースには、さまざまなものがありますが、基本的には、購入するよりも割高になります。
企業の利益や、人件費などが含まれているからです。

リースをする場合は、条件が不利でないかをよく確認する必要があります。
特によく確認しておくポイントは以下の通りです。

確認すべきポイント

名義（超重要）
走行距離制限がある場合の超過料金
メンテナンス費用・自動車税支払いの有無
契約期間・途中解約時の違約金
保険の免責

リースの契約内容によっては仕事が限定されることもあります。複雑な内容の契約を読み解くことができない場合など、後々のトラブルになり得るので、判断できない場合は購入する方が安心して働けます。

買う車両を間違わなければ、乗り潰せばほぼ元は取れますし、
途中でやめる場合でも、やめたタイミングで車両を売却すれば支出は最小限になります。

委託会社のリースは絶対にだめ！！

仕事を探していると、委託会社が仲介をしていて、車を貸してくれる（リースしてくれる）案件があります。
これは、絶対にダメです。

中古車リースであることがほとんどで、その車両の市場価値は40-50万ほどです。（もっと安い場合もあります）
その車両を保険や、レンタル代を含めて月額3万円前後で貸してくれるというものです。

ほとんどの場合で、期間で借りるものでなく、委託契約とセットになっているので、貸し借りに関する詳細な規約がなくトラブル時に不利になることが多いです。

金銭的デメリット

同等（40-50万ほど）の車両を自分で用意する場合、その費用を２年で割るとおおむね月２万になります。
事業用軽貨物車の初年度の保険料は車両保険がなければ月に15000円ほどです。（２年目以降は１万円を切ります）

リース代が保険こみで３万だった場合、初年度こそ安く見えますが、２年目以降は割高になり、
３年目からは車両代金分がまるまる損になります。

車両は完済すれば支払いはなくなり、
保険は事故がなければ年を追うごとに安くなります、
レンタル（リース）は長期契約で月の支払いが安くなることはありますが、中途解約の違約金が発生することがあります。
通常長い期間借りていても、料金が安くなることはありません。
仮に新車の場合でも、車両は120万ほどなので、５年で車両代はペイできます。

責任の所在が有耶無耶になりやすい

中古車リースに限った話ですが、
外装の傷などで、元々あった傷なのか、借りている間についた傷なのかが明確にならないです。
また、メンテナンスを自分で行う契約の場合、エンジンオイルくらいならまだしも、タイヤやその他エンジン周りに故障が起きた際に、レンタル期間と故障頻度が比例しない場合があります。
メンテナンスを行なってもらえる場合でも、日時を指定されたり、まだ使えるなどでメンテナンスを拒否されるなどのトラブルもあります。

名義デメリット

委託会社からリースすると、車の名義はほとんどのケースでリース会社のままになります。
この場合、借りた委託会社を通さない他の仕事には車両を使用することができません。
購入している場合は、自分の名義になりますので、他の業務にも使用することができます。

以上を勘案して

委託会社からのリースはメリットが何一つありません。
仮にリース代金が安くても、他に失うものは大きいです。
なので、委託会社のリースは絶対にやめてください。

ディーラーなどの新車リースは？

委託会社のリースに比べると、トラブルは少ないです。
走行距離に規制がある（超過すると料金が高くなる）ことが多いので、
配達する量（距離）と整合性が取れているか？
原状回復などの条件に問題がないのであれば、リースでも構いません。
ただし、長期的に使う（５年以上）ことを前提にした場合は、新車でメンテナンスパックに入るなどした方が総合的に支出は少なくなります。

名義はほとんどの場合で自分になりますので、仕事に制限が入ることはありません。
逆に、名義がリース会社になる場合は仕事ができないので、契約してはいけません。（ほぼないです）

レンタルは？

軽貨物・自動二輪で短期レンタルの場合、名義が変わらないので、配達の仕事に使うことができません。
フードデリバリーなどで原付の場合は配達に使えますが、料金や条件によって検討する必要があります。
短期でやめることが前提（一時的な遠征などで、車両を現地調達するなど）ならば、レンタルでもいいでしょう。

購入した場合は、売却することも可能

上記を踏まえて、僕は購入を選択しています。
中古のピクシスバンを40万で購入、２年４ヶ月乗って、アトレーに変えたタイミングで27万で売却しました。
車両代は２年４ヶ月で実質13万（月で言うと5000円を切ります）で使用した計算になります。（メンテナンスを除く）
もちろん購入時・売却時の車体の状態にもよりますが、リセールまで考えると、中古車購入での払い出しはかなり少ないです。

リースのメリットは？

リースのデメリットばかりを並べたわけですが、
リースのメリットはなんでしょう？

①資金がなくても手に入る（事業を始められる）
②毎月定額払いなので、税金やメンテナンスなどの支出を考えなくていい（契約による）

主に、この２つです。
お金に関する事だけがメリットです。
本末転倒ですが、資金管理が雑になる人に事業は向きません。

資金がないかたは、自転車や原付など初期投資の少ないものから始めて
徐々にステップアップしていくことをお勧めします。