Masaさん
Uberからメールがあって、10月から始まるインボイスの対応って
免税事業者でも課税事業者でも同じ報酬を払いますって言ってます
これって、実質免税事業者でも消費税分が減額されないってことでいいんですよね?
神対応じゃないですか?

Mihoさん
僕もさっきそのメール見ましたよ。
Uberがこの早い時期にインボイスの対応について声明を出してくるとは思わずびっくりしています。
僕としては、消費税分を減額する方向でくると思っていいたんですが、減額しないということなので、対応が難しくなると思っています。

※お断り
この記事では
適格請求書発行事業者を課税事業者
適格請求書発行事業者でない方を免税事業者として記述します。

フードデリバリー配達員の方を対象に執筆していますが、
基本的な計算の考え方は、複数から仕事をもらっているフリーランスの方全般に当てはめることができます。

Uberの思惑を読み解いてみる

UberEatsの配達アプリはUberEats/UberTaxiどちらも同じアプリを全世界で使っています。
今回のインボイスの問題が起こる対象者は「日本のUberEats配達員」だけです。
日本のUberTaxiはタクシー会社が間に入っているので、そのタクシー会社が免税事業者である可能性はほぼありません。

日本のUberEats配達員の問題だけのためにシステム改修するのがコストとして合わなかったのだと思います。
そして、免税事業者からの仕入れにかかる経過措置を使えば、当初3年間のコスト増は2%その先3年間のコスト増は5%ですみます。

そこを天秤にかけた結果、今回の判断に至ったものと考えています。

または、システム改修が10月に間に合わないと判断したのだと思います。
経過措置がなくなる頃までにシステム改修をしっかりと行なって、将来的には、免税事業者には消費税相当額を支払わないという対応にするという計画も考えられます。

配達員への処遇として想定されること

①報酬の減額
Uberの報酬計算は現在公表されていません。
逆にいうと、同一の案件でもUberは報酬の操作が可能です。
消費税相当額を減額しないとしながら、実地での報酬が減額する可能性があります。

②現時点ではインボイス番号の入力を求められるのか不明ですが、
1、課税事業者と免税事業者で配車アルゴリズムが変化する(課税事業者の方がリクエストが発生しやすい)
2、免税事業者は課税事業者よりもリクエスト時に少ない報酬が提示される(実質的に消費税分が減額)

想定できる事象は現状ではこの2点でしょうか、
ただ、②については大きなシステム改修が必要なので現時点でその可能性は低いと思われます。

配達員としてどう対応するべきか

すでにWoltはインボイス施行後、免税事業者へは消費税相当額を支払わないと表明しています。
出前館・MENUの対応が気になるところですが、

免税事業者で行くのか、課税事業者になるのかを個々で判断しなければいけません。
ほとんどの配達員は、UberEats専業であるひとはほんの一握りだと思います。
(出前館やMENU・Woltでも稼働している)

出前館やMENUが免税事業者へ消費税相当額を支払わないということになった場合で
免税事業者のままでいる場合は、Uber以外の報酬が約10%減額となります。
課税事業者になる場合はUberの報酬からも消費税を支払わなければいけません。

判断基準は、Uberからもらう報酬と他からもらう報酬のどちらが多いのかで判断することになります。
税理士に頼んでいる場合は、消費税分にかかる税理士報酬などのコストも加味する必要があります。

ケーススタディ(単純金額比較)

プラットフォーム税抜価格税額納税額のこり
Uber110込み0110
それ以外10000100
合計20000210
免税でいる場合(50:50)
プラットフォーム税抜価格税額納税額のこり
Uber110込み2108
それ以外100102108
合計210104216
課税になる場合(50:50)(2割特例)
プラットフォーム税抜価格税額納税額のこり
Uber110込み5105
それ以外100105105
合計2101010210
課税になる場合(50:50)(簡易課税)
プラットフォーム税抜価格税額納税額のこり
Uber220込み0220
それ以外0000
合計22000220
免税でいる場合(100:0)
プラットフォーム税抜価格税額納税額のこり
Uber220込み4216
それ以外0000
合計20004216
課税になる場合(100:0)(2割特例)
プラットフォーム税抜価格税額納税額のこり
Uber220込み10210
それ以外0000
合計220010210
課税になる場合(100:0)(簡易課税)
プラットフォーム税抜価格税額納税額のこり
Uber0000
それ以外20000200
合計20000200
免税でいる場合(0:100)
プラットフォーム税抜価格税額納税額のこり
Uber0000
それ以外200204216
合計200204216
課税になる場合(100:0)(2割特例)
プラットフォーム税抜価格税額納税額のこり
Uber0000
それ以外2002010210
合計2002010210
課税になる場合(100:0)(簡易課税)

免税事業者でいるか、課税事業者になるかの判断基準は?

免税事業者でいるか、課税事業者になるかの判断基準は、

当初3年間の2割特例を使う場合で
課税事業者になってUberの報酬を約2%減らすか 免税事業者のままでいて他の報酬を約8%減らすかの選択

それ以降で簡易課税を使う場合
課税事業者になってUberの報酬を約5%減らすか 免税事業者のままでいて他の報酬を約5%減らすかの選択です。